紅蓮の牙

二次創作中心。仮面ライダーキバと灼眼のシャナのクロスを連載中。

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第十九話・ハーモニー/RIDER'S.FORCE.前篇

旧依田デパート屋上。


シャナやマージョリーに、悠二と吉田を見つけたと連絡を入れ、全員がそこに集まっていた。


問題はその後である。
亡き“狩人”フリアグネの宝具『破璃壇』を囲み、数名の人影が、互いのことを信じられない顔で見回していた。


黙っていても埒が明かない為、紅奏夜が代表して口火を切る。


「九時ダヨ、全員集合!!」
「全員集合、じゃありませんよ!」


奏夜の懐かしいフレーズに、マージョリーの子分、佐藤啓作がすかさずツッコむ。同じく子分、田中栄太も同様だ。


「名護さん、なんで先生がここにいるんすか!!」
「……ああ、そう言えばキミ達は知らなかったな」


名護が少々ばつが悪そうにする。


「奏夜君、あれから結局、佐藤君や田中君に話していなかったのか?」
「話す意味も無さそうでしたからね。……佐藤に田中よ。人がそこにいる意味を求めるのは、無粋だと思わんかね?」
「何故ちょっといい台詞!?」
「誤魔化されるな田中! 先生はぐらかす気満々だ!」


奏夜を問い詰めようとする二人を見て、悠二も呆然としている。


「なんで佐藤と田中がここにいるんだ?」
「いや、そりゃこっちの台詞なんだけどな……」


佐藤が逆に問い返す。


「そっちこそ、フレイムヘイズと“ミステス”だって? 吉田ちゃんまで?」


吉田も、今の状況に着いていけなくなりそうだった。


「坂井君が、その“ミステス”だって知ってたんですか?」
「いや、“ミステス”ってことだけで、誰かは……それより、平井ちゃんがフレイムヘイズ?」


訊く田中と佐藤を見て、シャナが彼らの親分を睨む。


「なんでこいつらがこんなところにいるのよ!?」
「……知り合い、だったわけ?」
『世間ってな狭えなあ、オイ』
『貴様ら、なにを考えてこの二人を巻き込んだ』


アラストールが低く唸ったところで、あまり顔の知られていないカムシンと太牙がストップをかけた。


「ああ、ちょっと落ち着いて、皆さん」
「積もる話もあるだろう。取り敢えず一人一人、自分の身の上を明かしたらどうだ?」
『ふむ、出来る限り簡潔にな』


ベヘモットが最後に付け加え、全員の混乱はようやく落ち着いた。


◆◆◆


互いの抱える事情を話すのは、やはり衝撃も大きかった。


本物の坂井悠二と、平井ゆかりが既に死んでいるのもさることながら、やはり奏夜=キバというのが一番驚かれた。


しかし、当の本人はどこ吹く風で、


「俺の天才性が、高校教師という器に収まると思っていたのか?」


と言ってのけていた。身も蓋もない。


「しかし、随分ごちゃごちゃした相関図だったな」
「よく言いますね先生。自分だけ誰がなにをやってたか知ってた癖に」


佐藤がジト目気味に一瞥をくれる。
その視線に、奏夜はおどけるように肩を竦めた。


「成り行きだよ成り行き。俺はある意味、物語を裏側から見てたようなもんだからな」
「キバ――っていうか、先生が前に姐さんと戦った時、もう俺達のことには気付いてたんすか?」


田中の問いに、奏夜は首を横に振る。


「いいや、あの後、マージョリーと個人的に話す機会があってな。お前らのことはそこで聞いた」
「はぁ……結構裏で動いてたんですね」
「意外と動揺しないんだな。悠二の事情を聞いた時もそうだったが」
「いえ、さっきの話じゃありませんけど、普段の先生見てれば、別に先生がキバでも可笑しくないかなーって」
「どういう意味だコラ」
「あー、つまるところ、『先生は何でもアリ』って認識なんです」


佐藤の言い分に、田中も乗っかる。


「そうそう。むしろお兄さんがいたことの方が吃驚でしたよ」
「……奏夜。お前は一体どんな身の振る舞いをしてるんだ」


太牙の白い目線が突き刺さる。


キバであることが大した問題じゃない。むしろ奏夜ならすぐ納得できる。
確実に、奏夜の日頃の破天荒っぷりが招いた結果だった。


「あはは。ま、まぁ、その辺は置いといて――」


さすがに兄の威厳には耐えきれないのか、奏夜は慌てて目線を『破璃壇』に移す。


現在『破璃壇』には、御崎市の“存在の流れ”が映し出されている。“探耽求究”が作り出した、自在式の全体像だ。


「ふむ。大通りに繁華街――人混みの多い辺りに、存在の力の流れが集中しているな」
「んで、花火打ち上げ用の艀に仕掛けられた自在式が、あの花火を歪ませたワケね」


名護とマージョリーの冷静な分析に、カムシンも頷く。


「ああ、我々が起動した自在式から制御を手放した、その一番最初に、この密集した自在式して、歪みを生み出したのですね」
「さて、悠二よ。現状把握が終わったところで、お前の策ってヤツを教えてくれねぇか?」


奏夜の口調からは焦燥が伺えた。


“教授”が着実に近づいて来ている為である。悠二も同じ気持ちだったが、自分の案に必要となる少女 への引け目から、


「……いいかい、吉田さん」
「はい、大丈夫です」


自分には向けられない気遣いから、シャナが顔をしかめていたが、気付いたのは奏夜だけだった。


そのまま、悠二が言う。


「僕は、もう一度、吉田さんに調律の元になるイメージを写し取る作業を、やってもらいたいんだ」
「えっ……?」


吉田を含む、全員が顔を驚きに染める。


「んなことしてなんになるのよ? もう実際におかしくなっちゃってるのに」
「……いや、待てよ。そういうことか」


調律に付き添った記憶から、太牙はいち早く、悠二の策に気が付いた。


「つまり悠二くん。もう一度、間違い探しをするんだね?」
「そういうことです、太牙さん」


頭が回って適応力も高まっているのか、初対面の太牙にも、悠二は親しみを持って頷く。


「調律の雛型になったイメージを持つ吉田さんに、今の……“自在式でいじられた御崎市”を見せて、どこがどう違っているのか、感じて貰うんだ」


太牙の言う通り、二回目の間違い探しだ。
“教授”によって改変された御崎市を、正しい見本を見ながら、違っている箇所を探す。
そして、発見した“違っている箇所”にこそ、この自在式のカラクリと、“教授”の真の目的が隠されているはずだ。


有効かつ現実的な案に、それぞれが感嘆の声を挙げた。


「ひゅー、さすが悠二」
「そうだな。今の段階では、最良の手だ」
「ふーん、やっぱやるじゃない」
『ふむ……たしかに、やってみる価値はあるな』
『ヒヒヒ、こーりゃいよいよしっかり掴まえとくべきだなぁ、嬢ちゃん』
「なっ、うるさいうるさいうるさい! そんなことより、早くしなさいよ!」
「ああ、それもそうですね。時間もありませんし……よいですか、お嬢ちゃん?」
「はい」


カムシンが肩に背負った鉄棒の布を解き、指揮棒の如く振るう。


「さあ、始めましょうか」


風を切る鉄棒の周囲から、褐色の炎が吹き出し、生み出された怒涛の輝きが吉田を包み込んだ。
悠二達が息を呑む中、炎の渦は球状の形に落ち着いて行き――


「……うわっ!?」
「――っえ!?」
「おおっ!!」


眼前の光景に悠二と佐藤と田中が叫んだ瞬間、群青色の光が弾けた。


「そこの六人、見たら死刑ね」
『ヒヒヒ、脅しじゃねーぞぉ?』


マージョリーとマルコシアスの警告に戦慄しつつ、三人は目を瞑って後ろを向いた。


無理もない。――カムシンの自在式『カデシュの心室』内に浮かぶ吉田一美は、一糸纏わぬ姿をしていたのだから。


見れば奏夜、名護、太牙の三人は――火が吉田を包んだ時から嫌な予感がしたのだろう――とっくに背を向けていた。



さすがに、歴戦の直感力が活きている。無駄に。


「……先生。ちょっと前に、このテの事に一喜一憂してたら、教師は出来ないとか言ってませんでした?」
「さすがにあれは許容不可」


悠二の非難めいた言葉に、奏夜はか細く言い訳をした。


「でも、先生はそうだとして、名護さん所帯持ちじゃないですか」
「そうっすよ。既婚者が今更――」
「……既婚者、という理由で、恵が許すと思うか?」


佐藤と田中は押し黙る。


思えない。 最悪、名護が神に命を返されることになる。
名護のかつてない真剣トーンからも、それは伺えた。


「みんな、あまり余計な口を叩かない方がいいぞ。……『弔詞の詠み手』に本気で消される」


太牙の呟きに、全員ただ同意するばかりだった。
男性陣のどうでもいい葛藤を余所に、間違い探しは続く。


◆◆◆


吉田の間違い探しから、理解したことは二つ。


一つ。
街に張り巡らされた自在式は、『フレイムヘイズやファンガイアの、存在の力やライフエナジーを利用して起動し、撹乱の効果を発言させる』ということ。


言わば、反射。
シャナの火炎弾が返されたのは、火炎弾自身に込められた“存在の力”を持って返された。
奏夜のマシンキバーやバッシャーアクアトルネードは、キバの鎧に内蔵された魔皇力によって、誤作動を起こしたのである。


二つ。
件の“撹乱の自在式仕掛け”は、ミサゴ祭りのシンボルとして、あちこちに取り付けられた鳥の飾りによって起動する。人間の業者に、配置と取り付けを任せ、フレイムヘイズに気取られぬようカモフラージュ。
後は勝手に包囲網が完成するというわけだ。


相手の戦略は、これで掴めた。
しかし、


「でも、どうやってこの仕掛けを壊す? 気付かれたら、また撹乱されるだけじゃないの?」
「確かにな」


シャナの意見に、奏夜も頭を抱える。
攻撃しなければ破壊出来ないのに、攻撃すればすぐ撹乱される。


二律背反だ。


「一個や二個は破壊可能だろうけどなぁ」
「だが、それではすぐ警戒されてしまうだろうな」
「ええ、大元の駅を叩こうにも、あそこは撹乱用の飾りもタップリあるしね。
実際、私もチビジャリもソウヤも、近付けなかったわけだし」
「しかも駅前の飾りは、不意打ちじゃ破壊出来ないくらいの量だもんね」


名護とマージョリー、頼みの綱の悠二にも、良い策は思い浮かばなかった。


「他に狙える標的と言えば、“教授”本体だろうが……」
「ああ、無理ですね。御崎市外周部の飾りを壊し、市外に出たとしても、その隙に駅の“燐子”が何をするかわかりません。最悪、戦力を分断される可能性もあります」


太牙の案をカムシンが否定し、再び一同が考え込む。


鉄壁にして穴のない計略。
“教授”の最終目的がなんであれ、彼が御崎市に到着すれば、成就する類いのものなのだろう。


(それを阻止するには、もう一手必要だ)


――奏夜の望むもう一手は、意外な人物にもたらされた。


「あ、あのー」


強者達の威圧感に畏縮しつつ、佐藤がおずおずと手を上げていた。


「なに、ケーサク」
「俺……駅の中、入ったんですけど」
「はぁ?」


マージョリーのみならず、全員が目を見開く。


「えっと、ここに来る途中、なんですけど」
「いやいやちょっと待て」


奏夜が佐藤の言葉を遮る。


「お前、そもそも何で駅に入ったんだ?  マージョリーの指示とは思えないし」
「っ、それは……」


不自然に言い澱む佐藤。
見れば、マージョリーと田中も、やや渋い顔になっている。


『あー、キバの兄ちゃんよ。あんま追求しねぇでやってくれや』


更に言及しようとした奏夜を、マルコシアスが諫める。


『我が麗しの酒杯が、じゅーぶんに叱っちまった後だからよ』
「……はぁ、わかったよ」


何となく事情を察した奏夜は、それ以上何も言わず、瞬時に思考を切り替える。


「佐藤が入れたのは、ただの人間だからか?」
「ああ、そうでしょうね。あの自在式は、あくまで存在の力や魔皇力に反応するものですから。恐らく“教授”は我々に重きを置き、人間に注意を払わなかったのでしょう」


人間があの繭に入ったところで、できることはたかが知れている。


その判断は妥当なものだが、今の状況では、こちら側の突破口に成り得る致命的なミスだった。


「……ケーサク、エータ」


ずっと思索に励んでいたマージョリーが、物凄く気が進まなそうに、二人の子分の名を呼ぶ。


「はい?」
「何です、姐さん?」
「アンタらにしか頼めないことがあるわ」


唐突に紡がれた提案。
呆けたように首を傾げる二人に向け、マージョリーが淡々と説明を付け加える。


「まず、アンタらに誘導標識の付箋を渡すわ。 これは私の自在法を引き寄せる効果がある――つまりは目印ね。
これを駅内のどこかに貼り付けてくれさえすれば、私の攻撃は撹乱の自在式に惑わされない。 そうすれば、私は警戒されずにデカい自在法を使えるから、一撃で駅付近の飾りもぶっ飛ばせる」
「おい待てマージョリー」


話の進行に、奏夜が慌ててストップをかける。


「確かにそれなら、少なくとも駅付近の撹乱の自在式は無効化出来る。でも、田中や佐藤へのリスクが高すぎるだろ」
「奏夜くんの言う通りだ。それなら、私が彼らの代わりに侵入し、イクサで中から駅を破壊すればいいだろう?」


名護もまた人間である為、駅への侵入は可能。
場数を踏んでいる彼の方が、適任であるように思えた。


「ダメよ。駅の中に入れても、アンタの白騎士には、周りの飾り全てを破壊するだけの火力はないでしょ」
「しかし……」
「……私だって、誉められた策じゃないのはわかってるわよ。けど、他に良い案あるの?」


正論に言葉を詰まらせ、しかし尚も異議を唱えようとする名護に、佐藤と田中が口を揃えて言う。
危険を伴う作戦に対する恐怖はなく――単純に、憧れの人から頼られた、という歓喜の方が勝っていた。


「名護さん、やらせてください。今んとこ、それしか対処策がないんでしょう?」
「俺達も何か、名護さん達みたいに、出来ることをしたいんです」


真っ正面から見つめられ、熱意に負けた名護は、肩を落として溜め息をついた。


「……わかった。ただし、私も同行させて貰うぞ」


名護はおもむろに、懐からイクサナックルを取り出した。


「護衛役くらいは構わないだろう? 『弔詞の詠み手』」
「ええ、最初から頼むつもりだったし、お願いするわ」
『ヒャーッハハ!! お前にしちゃ随分と配慮ある行動だブッ!』
「お黙り」


マルコシアスをブッ叩き、マージョリーはシャナ、カムシン、奏夜、太牙を見渡す。


「聞いての通りよ。私とケイスケで駅前の繭を何とかするから、アンタらは他の場所の飾りを破壊しときなさい」
「わかった」


シャナが使命感から強く頷き、奏夜と太牙もそれに習う。


「ああ、では私は残って、お嬢ちゃんと“教授”の目的を探りましょう」
『うむ、『弔詞の詠み手』が撹乱の自在式を破壊してくれれば、『カデシュの心室』を通じ、お嬢ちゃんがあの繭を調べられるからのう』
「じゃあ、悠二もここで待機しておけ。吉田の調査が進めば、また気付くことがあるかもしれないからな」
「はい、わかりました」


自らの分はわきまえている為、悠二の返答に迷いは無い。


――付け加えるように、奏夜は彼に耳打ちした。


「シャナとは、ちゃんと仲直りしとけよ」
「! ……わかってますよ、言われなくても」


悠二はシャナを目に収める。
凛とした態度は普段と変わらないが、ほんの僅かだけ、刺々しい雰囲気を醸し出しているようにも見えた。




悠二の目線に気付いたのか、シャナが傍へ寄ってくる。奏夜を挟み、じっと向かい合うような様子だ。


「……あの、シャ」
「悠二」


沈黙に耐えきれなくなった悠二より早く、シャナが口を開いていた。
彼女にしては珍しく、声の端々から緊張が感じ取れる。


「悠二……怒って、ない?」
「!」


声の調子を弱め、瞳の奥に不安を隠す少女の姿に、悠二は心底驚いた。
だがすぐに、


「……なんだ、そうだったんだ」


安心感から、相好を崩していた。


「な、なにがおかしいのよ!?」
「ご、ごめん、でも違うんだ。僕もてっきり、シャナが怒ってる……って思ってたから」


気づいてみれば、こんなもの。
すれ違って、互いに遠慮していただけ。最初のギクシャクした空気は、どこかにすっ飛んでしまっていた。


「……怒って、ない?」
「うん、僕の方こそ、怒鳴ったりしてごめん」
「……うん。私も、ごめんね」


仲直りから生まれた歓喜に、二人は笑みを交わし合う。


「街を、みんなを頼むよ」
「うん」


憂いの晴れた様子で、シャナは悠二から離れ、奏夜を見上げた。


「良かったな。仲直りできて」
「うん」


満面の笑顔を刻み、シャナは再び、髪を紅蓮に染め上げる。


「行こう、奏夜」
「ああ、さっさと済ませて、花火の続きだ」


言いながら、奏夜は名護と太牙に目配せで合図し、屋上の柵近くに立つ。


「じゃあ久し振りに、三人でいきますか!」
「ああ、任せなさい」
「この街を、必ず守ろう」


名護と太牙も、強い意志を持ってそれに応えた。




「キバット!!」
「っしゃあ! キバッて行くぜ!」


奏夜は、飛来したキバットをキャッチし、自分の左手を強く噛ませる。


『ガブッ!』


ステンドグラスの紋様が、奏夜の頬に刻まれ、腰に巻きついた鎖が真紅の止まり木・キバットベルトと化す。
キバットを正面に突き出し、奏夜は叫ぶ。




名護は取り出したイクサベルトを巻き付け、手甲型の変身ツール、イクサナックルを左手に押し当てる。


『レ・ディ・ー』


無機質な待機音が流れ出し、名護はイクサナックルを右横に構え、叫ぶ。




「サガーク!!」
『◎◆∈〆!!』


太牙の呼び掛けに応じたサガークが、彼の腰に取り着き、白銀に輝くサガークベルトとなる。
プロトタイプフエッスル・ジャコーダーを携え、太牙は叫ぶ。







『変身!!』






キバットがベルトに止まり、奏夜に巻き付いた光の鎖が弾け飛ぶ。


『フィ・ス・ト・オ・ン』


イクサナックルがベルトにジョイントされ、地面からアーマーの映像が現れた。
アーマーは名護の姿と重なり、頭部のクロスシールドが展開する。


『ヘン・シン』


スロットにジャコーダーをインサートし、一気に引き抜くと、サガークベルト中央部が回転。
蒼いウェーブが太牙の身体を駆け、目映いばかりの光が、ガラスになって弾け飛んだ。




――仮面ライダーキバ。
――仮面ライダーイクサ。
――仮面ライダーサガ。


御崎市が――ファンガイアの中枢都市が誇る、三人の仮面ライダーだ。




壮観な光景に、誰もが息を呑んだ。
佐藤と田中に至っては、かつて恵から聞いた話を、記憶の底から引っ張り出していた。
今なら分かる。あの言葉の意味が。




――四年前のこの街にはね、三人のヒーローがいたの。
人知れず、仮面で正体を隠して戦うヒーローがね。




ヒーロー。
そう呼ぶになんの不満があるだろうか。
それほどまでに、三人の後ろ姿は絶対的で、何処か羨望すら感じる風格を、見る者に与えていた。



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  1. 2012/04/18(水) 16:28:07|
  2. 仮面ライダーキバ/BLAZING.BLOOD
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